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丘の上に立つ自分の目線の高さに山の稜線が見え、丘の下の田園地帯に光が降り注ぐ光景。

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ここは岡山県の北東部、兵庫県との県境にある美作市後山です。

その後山のふもとに東粟倉おもちゃ村があります。
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全国から創作玩具の作り手の作品、組み木創作の会の作品が展示されています。
作品は写真撮影できなかったのですが、組み木の玩具や、木のからくり玩具など多数展示されています。
もちろん糸日谷さんの作品もここに展示されています。

玩具造
形作家・糸日谷晃さん

 

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京造形大学造形学部卒。
大学では環境デザインを専攻し、木のおもちゃを制作するゼミに所属。
大学卒業後、縁あって、おもちゃとオルゴールの博物館に就職。
工作室担当を務め、 ワークショップをはじめとしたイベントの企画や題材となる作品開発を手がける。

現在は岡山・鳥取・兵庫の県境、山間に工房を設けて活動中。    

千葉県出身で都会育ち。

一転、JRが単線、一両のバスのようなディーゼルカーが一日に数本しか走らない田舎に移住。
もともと都市型のライフスタイルや価値観を持ち合わせていなかったので、田舎への移住には抵抗はなかったとのこと。

“大学ではデザインを勉強していて、ものづくりもしたかった。つまりは、全部やってみたかったんです。デザインもして、ものを作って。”
 
今は木工を主として木のおもちゃなどの作品を制作されていますが、これまでにはいろんなものにチャレンジされたそうです。

パソコンを使って映像を制作するのもそのひとつ。
ご自分のことを“器用貧乏な一面があるです”と。

逆手に取れば、いろんなジャンルを経験することで、未知の自分の主流に繋がっていく、それが今、糸日谷さんがチャレンジされていることではないかと感じました。

“シンプルでシュッとしたデザインが好きなんです”
 
糸日谷さんの作品にはそのデザインに必然性のあるコンセプトやテーマがあります。

それはあくまで実用性や機能性を重視した工芸作品ではなくて、
その形に何かしらの意味や価値が存在するものづくりをされています。


例えば[ひのきにあなをあけたもの]
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デザインのコンセプトは、初めてふれる、やさしさ・やわらかさ。
形は、指を揃えた手のひらの形、お母さんの乳房の形、卵の形をイメージしているそうです。

何か私の中でイメージが広がっていきます。

もちろん、糸日谷さんが作品に吹き込んだイメージもありますが、手にした人が作品を見て、何を感じて、何をイメージして、それをどう使うかを手にした人が決めればいい。
これが糸日谷さんの作品と一般的な工芸作品とは異なるところだと思います。
 

しっかりとしたイメージがあり、それをデザインに内在させ、形として表現していても、決してそれが押し付けがましくないというのが糸日谷さんの作品の魅力だと私は思います。

これは糸日谷さんの組み木のおもちゃ。

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いろんな動物達が、それぞれの体の面をくっつけて、パズルのようにぴったりはまっています。
糸日谷さんの動物達は“シュッ”としていて、どこかスタイリッシュな感じ。
箱から動物を取り出すと、そのひとつひとつの動物に、ちょっぴり切なさが感じられました。


その他、やじろべえや車、マグネットなども見せていただきました。

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体験クラフト市のワークショップでは木のからくり玩具を制作します。
数種類の工作キットを用意して下さいます。
電動糸鋸も持ってきて下さいますので、糸鋸を使っての切り抜きなども体験いただけます。

 

ゆったりとした雰囲気をお持ちの糸日谷さんと一緒に工作、そして“シンプルでシュッ”とした糸日谷さんの作品達に是非触れていただいて、広がるイメージを楽しんでいただきたいと思います。


玩具造形いとひや

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